初めての受け入れ – 寮の準備編
外国人技能実習生を受け入れるにあたって、企業側が事前に準備すべきことがいくつかあります。
特に、住居に関することや生活用品に関することは、円滑な技能実習の遂行や日常生活の順調な展開にとって欠かせない要素です。
今回は技能実習生の受け入れにおいて必要なことや必要なものをご紹介します。
◇住居について
外国人技能実習生を受け入れるにあたり、まず初めに考慮すべきは、外国人技能実習生のための適切な居住環境の提供です。寮や社宅などの宿泊施設を整備する必要があります。
これらの宿泊施設は、複数人での共同生活が可能です。
また、賃貸契約に関しては、受け入れる企業の名義で契約を行う必要があります。
さらに、以下のような取り決めもあります。
【部屋の広さ】
・実習生が生活する住居の部屋の広さは原則「1部屋について2名以下」とする。
・1人あたりの寝室床面積は「4.5平方メートル(3帖以上)」とする。
・共用スペース(LDKなど)が生活エリアから区切られている場合のみ、それを寝室として利用することができます。
【部屋の設備】
・消火設備を設備すること。
・寝室を2階以上に設ける場合は避難階段等を設けること。
・最低限の家電用品(洗濯機、冷蔵庫等)、キッチン用品などを用意すること。
・実習生が母国の家族や時間外に監理団体や実習先の担当者と連絡を取れるよう、Wi-Fi環境の準備も受け入れ時に求められます。(Wi-Fi使用料は実習生から徴収可能です)
【住居に関わる費用】
・借り上げ物件の場合は、初期費用としてかかる敷金や礼金などは、受け入れる企業が負担します。また、寮費や光熱費に関しては、実際にかかる金額を超える部分の請求は行えません。
・共同生活の場合は、電力会社などからの請求先は会社宛てとし、請求金額は該当する寮や社宅に住む技能実習生の人数に応じて徴収することが可能です。
◇生活用品について
実習生が快適に日常生活を送るために、必要な最低限の家電製品やキッチン用品も、受け入れ企業が用意し準備します。これには新しいものを購入するか、従業員などから提供された中古品を利用することもできます。
主に以下のようなものになります。
【家電製品】
・洗濯機、掃除機、炊飯器、冷蔵庫、冷暖房、テレビやラジオ など
【炊事用品】
・調理器具、食器類、食器洗剤やスポンジ など
【寝具・生活用品】
・寝具一式、シャンプー、石鹸、ハンガー、タオル、トイレットペーパー など
【掃除道具】
・ゴミ袋、ゴミ箱、雑巾、バケツ、洗剤 など
【その他】
・照明器具、テーブルや椅子、自転車、消火器 など
〇実際に実習生はどこに住んでいるのでしょうか?
・借り上げ物件(アパートなど)
技能実習生が実際に暮らしている場所では、最も一般的なのは、雇用主となる企業が実習生の人数に合った広さのアパートを借りて、技能実習生の住居として提供するケースです。
受け入れ企業は、技能実習生が住むのに適した物件探しや、その後のアパートの管理などを専門業者に委託することで、手間を軽減できます。
同じアパートに一般の住居者がいる場合、居住マナーやルールについての配慮が必要になります。
・借り上げ物件(一軒家)
一度の受け入れで技能実習生の人数が4名以上になる場合や、毎年同じ時期に技能実習生を受け入れる企業では、一軒家を借りることもあります。一軒家で一緒に暮らすことにより、仲間意識が育まれ、日本の生活様式にも馴染みやすいというメリットがあるでしょう。しかしながら、同じ家に4名以上で暮らす場合、大きな音や音楽のボリュームなどに気を付け、近隣の自治体のルールやマナーに配慮する必要があります。
・寮、社宅(自社物件)
建設業界の受け入れ企業で多く見られるのは、日本人も住んでいる社員寮に技能実習生も住むこともあります。
近い関係にある日本人社員と共に暮らすことで、同じ会社の仲間としての連帯感が生まれやすいというメリットがあるでしょう。
一方で、職場と住居が同じ場所であり、同僚とほぼ常時一緒にいる状況では、技能実習生の個人的な時間を考慮することが重要です。
☆技能実習生の住居を選ぶ際のポイント☆
技能実習生の住居を選ぶ際は、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
・職場から通いやすいか
・近隣にスーパーやコンビニエンスストアなどが存在するか
・適切な広さを持つ物件かどうか
技能実習生の生活を念頭に置いて、住む場所を選ぶ際には、住みやすい環境を重視することが重要です。
さらに、住居提供だけでなく、ごみの分別ルールや災害時の避難手順などを教えることにより、技能実習生が早期に日常生活に適応することが可能となります。